旅程:茨城空港 → 西安 → 洛陽 → 上海 → 名古屋
旅行の日程を様々ななルートで検討した結果、中国に西安から入国して、上海から帰国することになりました。西安から帰国しなかったのは、西安からの便が早朝で調整が難しかったことと、上海に行くのも面白そうだと思ったからです。実際には、上海駅からそのまま空港に向かったので、ほとんど観光はできませんでした。
日本人の中国旅行
日本人は、中国に渡航する際に15日以内であれば、ビザが必要ありません。中国入国にビザが必要ない国は、日本、シンガポール、ほかに僅かな小国のみとなっています。つまり、中国にノービザで気軽に入国できるのは、非常に貴重なことななのです。日本から中国の距離を考えても、日本人は中国に最も渡航しやすい国であると言えるでしょう。
茨城空港から春明航空が10月27日に就航しました。その就航記念セールと称して、茨城-西安が何と140円で売られていたので、西安まで行く事にしました。140円で売られているチケットですが、実際には140円に空港使用料、燃料費を加えて4000円ほどになりました。実費4000円で西安まで行けるのは、本当に安いチケットであり、私が今まで乗った飛行機の中で最も安い価格です。春秋航空を定期的にチェックしていると、驚くほど安いチケットに出会えることがあります。
茨城空港から西安までの航空券の予約は、春秋航空の日本語サイトで行いました。空港・日程を選択して、検索すれば価格を見る事ができます。
今回の旅行の日程
中国旅行の日程を個人旅行で組む場合には、最初に自分の日程に合わせて、先に航空チケットの行きと帰を決めます。そして、その日程の中で、中国国内の日程を列車などを使って組み立てるという方法をとることが多いです。
今回の旅行では、茨城空港から西安に入って、帰りは上海から名古屋に帰るという日程を組みました。そして、西安以外には、歴史がある都市の洛陽にも立ち寄りたいと思いました。茨城、西安、洛陽、上海の順で旅行を組みました。
茨城→西安→洛陽→上海→名古屋
西安・洛陽の旅行を選んだのは、西安・洛陽がどちらも中国の過去の歴代王朝の首都になってきて、歴史がある場所だからです。どちらの都市も見どころが非常に多い都市となっており、中国の歴史・文化を知ることが出来る都市です。
今回の旅行では、西安→洛陽、洛陽→上海で寝台列車を使いました。西安→洛陽は、寝台列車を使うにはあまりに近すぎる(4時間で到着してしまう)ことに気が付きました。良く寝る事ができないことを懸念して、わざわざ洛陽を通り過ぎて鄭州まで6時間かけて行ってから、鄭州→洛陽に1時間半かけて戻るプランにしました。西安→洛陽で6時間ほど時間があれば、まずまず寝る事ができます。そこで休めなかった分を鄭州→洛陽で少し休むことができます。
中国の旅行においては、長距離の移動で積極的に寝台列車を使った方が旅行として楽しめますし、ホテル代の節約することもできます。中国の寝台列車の種類は、2等の3段(硬卧)と1等の2段(软卧)があり、価格が1.5倍~2倍ぐらい違いがあります。软卧1等の2段が4人部屋になっているので、良く休むことができます。長時間の場合には、迷わず1等の2段(软卧)を選んだ方が良いでしょう。ただし、中国でビジネスホテルはそれほど高くない(1500円~3000円)ので、ホテルで寝た方が疲れが取れることもあります。
今回の旅行の費用
今回の旅行で最もかかった費用は、何と中国の観光地入場費用でした!中国では、観光地の入場料がとてつもなく高いのです。今回は、特に西安で崋山、兵馬俑という有名観光地を見学したことで、観光コストが非常に高くついてしまいました。
中国では、1つの都市に滞在して街を見て食事を楽しむぐらいだと、総額3万円で1週間の滞在を楽しむ事も出来ます。しかし、有名な観光地に行くと、とても高い入場料を払わないといけないので、旅行の費用が非常に高くなります。観光地に行くのは、旅行の楽しみでもあるので、削りがたいコストです。
航空運賃:往復14000円
寝台列車:10000円(西安→洛陽→上海)
ホテル代:10000円(西安3泊、洛陽1泊)
観光地入場料:20000円 (兵馬俑入場・ショー、崋山入場ロープウェイ)
食費:5000円
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合計 59000円
航空運賃を最低限にするには、LCCで荷物を最小限にする必要があり、基本的に小型のバックに衣類、洗面用具だけ入れて行くようなスタイルを取ることになります。今回の旅行で使ったのは、15リットルの小型のバックですが、さすがに小さすぎて入る量が少なすぎましたが、その分だけ軽くなり、全ての荷物を持って移動することができました。ホテルで必ず洗濯する必要がありました。
東京駅から茨城空港へ向かう
東京駅ー茨城空港は、シャトルバスが運行していますが、都合の良いシャトルバスが満席で、朝早いものしかありませんでした。仕方がないので、朝早いものを予約して、茨城空港に向かいました。茨城空港には、クレジットカードのラウンジもない小さな空港なので、早く着いてもやることがないのですが、早く到着するのは悪い事ではありません。
茨城空港に到着したのは良いですが、バスを下車する時に「航空券の電子チケット」を見せないと、500円にならないと言われてしまいます。実は、航空チケットを購入した時にメールで送られてこなかったのです。スマホに対応していない春秋航空のウェブサイトにログインして、電子チケットを見せるのに10分以上もロスしました。良く分からないところに運転手が無駄に細かすぎるのは、本当に日本らしいと思いました。
茨城空港へは、茨城空港‐東京駅連絡バスで500円でアクセスしました。
http://www.ibaraki-airport.net/more/tokyobus.html
茨城空港から中国西安へ向かう
春秋航空の記念すべき第1便だったので、茨城空港に茨城県知事・春秋航空の社長なども来て簡単なセレモニーが行われました。チェックインカウンターでは、手荷物の計量も特になくてパスポートを渡して、そのままチケットを受け取っただけでした。春秋航空に搭乗する際には、機内で食べられる記念品、タオルなどを頂く事もできました。
春秋航空の座席は狭いですが、それほど4,5時間のフライトなので、全く問題ありませんでした。第1便だというのに空席が目立っていて、席は半分ぐらいしか埋まっていなかったように思います。昼食を食べていなかったので、機内食を食べてみましたが、全く美味しくなかったです。機内食は食べない方がいいですね。
ホテルの予約と列車の予約
日本にいる時に、中国の日程をある程度は立てておきました。ホテルの予約、列車の予約などを行っておきます。ホテル予約は、直前でも何とかなりますが、列車の予約は座席が埋まってしまうので注意が必要です。また、西安は大都会なのでホテルを取ることに何も問題ないですが、洛陽のホテルの場合に(外国人が宿泊できる)ホテルが少ないので、あらかじめホテルを決めておいた方が良いでしょう。
ちなみに、私は中国のホテル予約も、列車の予約もCtripというサイトを使って予約しちえます。日本のクレジットカードも使う事ができて、中国のホテル、列車を予約することができます。特に中国に列車を予約する時に重宝します。
中国では、ホテルが外国人を宿泊させるのに営業許可書が必要です。営業許可書が取得できていないホテルで外国人が宿泊しようとすると断られます。ちなみに、洛陽では、”汉庭”という中国ではどこにでもあるチェーン店のホテルでも外国人宿泊許可書がないと断られました。詳しい事は、後編の「洛陽編」で書きたいと思います。
西安の空港に到着
西安の空港で入国する時には、何日ぐらいいますか?と聞かれました。予定が1週間ぐらいなので「1週間です」と答えました。日本人は、中国に15日以内であればビザ免除ノービザで入国できます。15日を超えた場合には、罰金など面倒なことになるので、15日を超える場合には、あらかじめ日本で旅行ビザを申請しておく必要があります。
西安国際空港から出る時には、X線の手荷物検査の行列がありました。そこで1人旅で来ている日本人の男性と会って、会話をしました。彼は、西安では崋山に行くと言っていて、その後にカンボジアのプノンペンに行くチケットが安かったのでゲットしたと言ってました。それがきっかで、私も次の日に崋山に行く事にしたのです。
西安空港から市内のホテルへ移動
西安国際空港から市内に移動する手段は、新しく地下鉄が開通して、地下鉄を使って移動できるようになりました。バス、タクシーより安く・安全で速く移動できるので、地下鉄を使って市内まで移動します。地下鉄は、市内まで16元だったと思います。自動販売機で購入しておいて、不足があれば下車する時にでも支払いを行う事ができます。
私が宿泊したのは、西安市の中心部にあるホテルで、西安北大街の西安鼓楼から近いホテルでした。周囲には、飲食店なども沢山あって、スターバックスなども歩ける範囲にあるので非常に便利な場所です。
ホテルは中国のチェーン系ホテルですが、旅行会社のカウンターがホテルの横にあって、退職した女性が旅行紹介の仕事をしていました。中国では、このようにホテルに来てから旅行の申し込みを行う事が良くあることで、旅行の計画を立てていなくても使えるので非常に便利です。西安のホテルでは、ほとんどのホテルでツアーの申し込みを行う事ができます。旅行カウンターがない場合でも、フロントを通じた申し込みができます。翌日の旅行にも柔軟に対応してくれます。私も、ここで次の日に崋山に行くバスがあると知って、崋山の申し込みを行いました。
ホテルの部屋は、1泊160元ほどでダブルベッドで2人が寝れる広いもので、ペットボトル2本も準備されていたので、快適に過ごす事ができました。結局、このホテルに3泊することになりました。合計すると、西安のホテル代金は、3泊で480元(9000円)ぐらいかかっていますね。
ちなみに、バスツアーに参加しなくても、高速鉄道(新幹線)を使って自力で崋山までくることもできます。その場合、西安北駅から新幹線で崋山北駅までアクセス(55元)して、そこからシャトルバスで30分かけて華山遊客中心までアクセスすることになります。このルートで来たとしても、入場料・往復代金を合わせると、結局300元ほどかかるので、料金としてはバスツアーとほとんど変わりません。要は崋山に行くとすれば、300元は必ずかかるということです。
西安空港で会った日本人の男性は、翌日に崋山に行くと言っていました。私は、崋山に行く予定など全くなかったのですが、この男性の話を聞いて崋山に興味を持つことになりまして、結局はツアーに参加して崋山に行くことになりました。崋山ツアーでは、たまたま台湾人の男性が隣の席になり、その50代の男性がとてもいい人で、一緒に登山を楽しむことができたのでした。
この日本人の男性は、この高速鉄道(新幹線)を使って自力でくるルートを選択しており、前の日に空港から西安北駅で下車して、インターネットで予約したチケットを受け取っていました。中国では、列車のチケットは、インターネットで予約しておけば、駅に行ってパスポートを提示することで受け取ることができます。パスポートは、自動発券機が使えないので、駅の窓口に並ぶことになります。駅の窓口で切符を受け取るのに時間がかかることがあるので、この男性は前の日に駅に行って受け取ると言ってました。この日本人の男性とは、崋山で偶然にもまた会うことになりました。
西安1日目:崋山の現地ツアーに参加
西安1日目は、7時頃に起床しました。ほとんどの大型ホテルでは、朝食が簡単なビュフェ形式になっています。中級クラスのホテルであれば、20元~30元ぐらいが朝食の相場になっています。朝食が非常に質素である場合もあれば、朝食が非常に充実していることもあります。いずれにしても、朝食のビュッフェは、旅行の1つの楽しみでもあります。
私は、中国での旅行は、朝食を含まないプランを取っておいて、当日に朝食代金を支払う形にしています。中国の場合には、日本と違って朝食代金が安い(30元)ほどが多いので、後払いの方がいいからです。中国では、何でも後払いの方が確実です。
崋山のツアーバスは、バス往復代金と昼食と崋山入場券で300元というものでしたが、その中に崋山のロープウェイ代金が含まれていません。崋山に行くバスの中でロープウェイのコースを決めて、お金を支払うことになるのです。崋山のロープウェイは、北側、西側に設置されています。
中国では、こうした各自に合わせたオプションを後から支払うのは、一般的に行われています。どのコースが良いのか分からなかったので、隣の台湾人が研究熱心で情報を色々と知っていたのを見て、隣の台湾人に合わせる形で、北ロープウェイから登って、西側に降りるというコースを選択しました。この座席で隣になった台湾人とは、崋山でずっと一緒に登山することになりました。研究熱心の台湾人が隣に座ってくれたおかげで非常にスムーズに崋山を楽しむことができて本当に良かったです。
崋山のふもとにある非常に雑なビュッフェ食堂で食事をとりました。それほど美味しいという訳ではなかったのですが、まあまあ食べる事ができるといった感じでした。ここで時間を使ってしまったので、登山を開始する時には、既に13時頃になっていました。隣に座っていた台湾人にお任せしてあまり考えていなかったのですが、下山してすぐに暗くなり、時間としてギリギリだったと思います。
華山遊客中心からシャトルバスで、ロープウェイ乗り場までアクセスします。ちなみに、時間と度胸がある人であれば、崋山に徒歩で登ることも可能なように道が設けられています。ほとんどの人が北側のロープウェイを使ってアクセスします。崋山では、アクセスルートが複数あるので、コース設定は自由に選ぶことができます。
私は、台湾人の人に全て丸投げして、西側からアクセスして、南峰、東峰、北峰の順で全ての峰を制覇することができました。崋山は「世界一危険な山」と言われるほどに危ない山で、今まで何人もの人が転落死しています。ツアーガイドが「今年の春も転落した人がいるので気を付けて下さい」とニコニコしながら話していた恐怖の山です。本当に危険な場所があるので、注意しながら楽しむ必要があります。
ちなみに、下の写真にあるような場所は、命綱を付けて崖を下っていかないと到達できませんので、普通の人は行かないです。行ったら良い思い出にはなるかもしれませんが、転落する危険は一般の場所よりもかなり高くなります。岩がツルツルなので、万一にでも滑って転落すると、もう止まるところがなく真っ逆さまにあの世に消えてしまいます。
下山してきた時には、夕方6時頃になっており、もう周囲が暗くなっていました。バスガイドが心配して電話してきてくれましたが、台湾人の人が計算してくれたとおり、最後の方のバスに何とか乗れそうで大丈夫そうでした。もし1人で行動する場合には、暗くなったら大変なので、かなり時間に余裕を持って行動した方が良いと思いました。
崋山のロープウェイから帰りのバスに乗って、台湾人の人といろいろと会話しながら旅を楽しむことができました。バスは、ホテルの近くまできちんと送迎してくれます。崋山で本当に疲れたので、夜にどこかのお店を探す余裕もなく、近くのコンビニで買ってきたカップラーメンを食べてすぐに寝る事にしました。
西安2日目:市内の観光
鼓楼、鐘楼、西安城壁
西安の滞在2日目は、あまりに付かれていたので、ゆっくりと起きて西安の市内観光を楽しむ事にしました。西安の市内は、見どころが非常に満載であり、観光地に困る事がありません。西安の鼓楼、鐘楼、西安城壁を外側から眺めたりして1日を楽しむことができました。旅行では、毎日のように日程を組むことが難しいので、こうして中間で少し考える時間を入れた方が良い場合があります。
西安駅から兵馬俑に行くバスが出ていることは知っていましたが、自分で行くのも面倒に思うようになったので、またツアーに参加することにしました。前日の夜にホテルのフロント横にある旅行カウンターの女性のところに行って、ツアー代金を支払いました。午後1時からの兵馬俑ツアーがあったので、それに参加することにしました。午前中からのツアーの方が良いと勧められたのですが、朝早く起きて行動して歩くのが面倒だったことと、朝からのツアーの方が少し料金が高かったのです。
西安3日目:兵馬俑の半日ツアーに参加
西安の滞在3日目は、午前中に街中を散歩するなどして、午後から兵馬俑ツアーです。兵馬俑ツアーの参加バスの待ち合わせ場所には、バスが予定時刻になったら現れて、それに乗り込みました。西安しないで待ち合わせ場所なのですが、
兵馬俑ツアーでは、兵馬俑を2時間半ほど説明を受けながら巡回して回るのですが、非常に凄いスピードで歩いて回るので驚きました。中国におけるツアーのスピードは、本当に驚くほど速く歩きますが、遅れたらおいていかれてしまうのです。
西安では、西安の兵馬俑前には、秦の始皇帝の劇を見る劇場というものが出来ていました。その劇場の鑑賞は、ツアー代金には含まれておらず、新たに160元もの出費が発生しました。その劇自体は、CGが多用されたものですが、見ごたえのあるものでした。
ツアーバスに西安駅で下車させて貰って、今回の西安とお別れになるのでした。
寝台列車で洛陽へ
西安から洛陽へは、1等の寝台車で行く事になっていました。待合室もビジネスシートになっています。
洛陽と言えば、かつて中国の都があった場所で、芥川龍之介の小説「杜子春」の舞台になった場所としても知られています。その洛陽に到着しましたが、駅が古くて、駅前も開発されておらず、中国の発展から取り残されている印象がありました。もちろん、スタバとか、マクドナルドとか、どこにでもありそうな外資系のお店は見当たりません。
駅に到着してから、必死でトイレを探したのですが見当たらず(本当は駅前に仮設の公衆トイレがあったと後で気がついた)、駅の近くに優良トイレを貸してるところがあったので、仕方なく1元払って中に入ったんですが、オープントイレだし、今まで見た中で一番汚いトイレでした。